4話目:街角の香り ― 休日のビションくん

(ん?なんだか…いい匂いがするぞ)
石畳の道を、ビションくんは鼻をくんくん。
パン屋さんの前を通りかかると、バターの香りがふわり。
(あっちに行きたいなぁ…でも、今日はこっちの道かぁ)
青いハーネスをつけて、
ビションくんはのんびりと街を歩く。
カフェのテラスには、のんびり新聞を読むムッシュー。
窓辺には、赤い花が咲いている。
そのとき──
向こうから歩いてきた小さな男の子が、ビションくんを見て立ち止まった。
「Bonjour(こんにちは)!」
(おっ、こんにちは!ぼくはビションだよ)
ビションくんは、しっぽをふりふり。
男の子もにっこり笑って、手をふってくれた。
(ふふ、フランスの街って、なんだかやさしいな)
そんな休日の午後。
明日のステージのことなんて、まだ知らない。
でも、この街角のぬくもりが、きっと勇気になる。
