第3話:空の色を宿す目

雪原の真ん中で、ハスキーくんは立ち止まった。
風が止み、世界が静かになる。

見上げた空は、どこまでも澄んだ青。
まるで、氷を溶かしたような冷たくて透明な色だった。

そのとき、ふと気づいた。
「ぼくの目も、この空と同じ色なんだ。」

青い目は、空の色を映しているわけじゃない。
でも、空と同じように、青い光だけが目に届いている。
それは、目の奥で光が散らばって、
青い波長だけが跳ね返ってくるから。

「じゃあ、ぼくの目の中にも、空があるのかな?」

そんなことを考えながら、ハスキーくんはまた歩き出す。
雪の上に残る足あとが、まるで星座のように並んでいた。

遠くで風がまた吹き始めた。
それは、空からの返事のようだった。

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