3話目:甘え ― ぺろぺろの気持ち

ぼくたちは、こうやって毛づくろいをするんだ。
仲間の耳をなめたり、顔をなめたり。
それは、ただの清潔のためじゃなくて──
「きみが大切だよ」っていう気持ちの表現なんだ。
でも、君たちには毛がないよね。
だからぼくは、君の手をなめる。
ぺろぺろ、ぺろぺろ。
それが、ぼくなりの“絆のしるし”なんだ。
遊び疲れて、リビングで君が寝転がっていたとき、
ぼくはそっと君の手に顔を近づけた。
そして、ぺろっとひと舐め。
「ぼくは、君のことが好きだよ。」
君は目を閉じたまま、
ぼくの頭をなでてくれた。
その手のぬくもりが、
ぼくの胸の奥まで届いた気がした。
ぼくたちは、言葉じゃなくて、
こうやって気持ちを伝えるんだ。