東京のクリスマスは、いつもまばゆい光に包まれている。 けれど、その光を灯すために、誰かが寒空の下で働いていることを、どれだけの人が知っているだろう。
このイラストは、そんな“裏方のクリスマス”を描いたものです。 主人公は、東京のイルミネーションを設営する若い職人。 誰かの特別な夜を演出するために、彼は毎年、静かに光を仕込んでいく。 恋人と過ごすわけでもなく、パーティーに参加するわけでもない。 ただ、誰かの笑顔のために、黙々と働く。
ある日、作業中にふと通りかかった女性が、彼に「いつもありがとう」と声をかける。 それはほんの一言だったけれど、彼の心に小さな火を灯した。 それから彼は、仕事の合間に彼女の姿を探すようになる。 でも、名前も知らない。話しかける勇気もない。 それでも、彼はいつも通り、光を仕込む。誰かのために。
そして迎えたクリスマスの夜。 すべてのライトが一斉に点灯した瞬間、彼女が再び現れる。 手には温かい缶コーヒー。 「今年も、きれいにしてくれてありがとう」 彼は少し照れながら、でも確かに笑って「どういたしまして」と答える。
この物語に恋愛はない。 でも、そこには確かに“誰かを想う気持ち”がある。 東京という大きな街の片隅で、光を灯す人と、それに気づく人。 そんな静かなつながりが、ぼくはとても好きです。
このイラストが、誰かの心にも小さな灯りをともせたら嬉しいです。 そして、もしあなたが今、誰かのために働いているのなら—— その姿は、きっと誰かのクリスマスを照らしているんだと思います。