1話目:はじまりのベル ― サーカスに舞い降りた白い星

サーカス団の仮設テントに、今日もにぎやかな朝がやってきた。
ピエロのピエールが、帽子を押さえながらみんなを呼び集める。
「さあ、みんな!今日は特別な仲間を紹介するよ!」
その声に、団員たちがぞろぞろと集まってくる。
空中ブランコの兄さん、火の輪くぐりの姉さん、団長のムッシュー・ルネ──
そして、テントの入り口に現れたのは…
ふわっふわの白い毛玉。
小さな体に、くりくりの黒い目。
ちょこんと座って、ちょっと緊張した様子のビション・フリーゼくん。
「この子が、今日からうちのサーカスに加わる新人さ!」
ピエールがにっこり笑って、ビションくんを紹介する。
「お名前は?」
「どこから来たの?」
「ふわふわで、まるで雲みたいね!」
団員たちが優しく声をかけるたびに、
ビションくんのしっぽが、ちょっとずつ揺れ始める。
「大丈夫、ここは楽しいところだよ」
「君の芸、楽しみにしてるよ!」
その言葉に、ビションくんは小さく「ワン」と鳴いた。
その声は、まるで「よろしくお願いします」と言っているようだった。
こうして、
ふわふわの白い星が、サーカスに舞い降りた。
